薬の臨床
産婦人科開腹手術後の排ガス・排便停滞に対するML-Pの有用性の検討
矢島 正純
1
,
武田 佳彦
1
,
井口 登美子
1
,
酒井 啓治
2
,
高木 耕一郎
2
,
黒島 淳子
2
,
黄 長華
3
,
相羽 早百合
3
,
柿木 成子
4
,
大和 竜夫
4
,
石川 卓爾
4
1東京女子医科大学産婦人科
2東京女子医科大学附属第二病院産婦人科
3至誠会第二病院産婦人科
4立正佼成会附属佼成病院産婦人科
pp.1359-1364
発行日 1997年12月10日
Published Date 1997/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903129
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産婦人科術後患者49例を対象として,ML-P(ラクツロース散)の排ガス・排便停滞に対する有用性を検討する目的で,第III相試験を4施設で実施した.ML-Pは手術終了約24時間後より,17.11gを50mlに溶解し,1日2回,4日間,経口にて投与した.術後排ガス所要時間は平均42.6時間,排便所要時間は平均56.2時間であり,ラクツロースシロップでの報告とほぼ同様の成績であった.副作用は,ML-Pの過量投薬によると考えられる下痢が2/46例に,腹痛・嘔気がそれぞれ1/46例にみられたのみであった.本剤の「のみやすさ」に関しては,89.4%(42/47例)の患者が「のみやすい」と回答した.
以上の結果から,ML-Pは産婦人科術後の排ガス・排便促進剤として有用な薬剤であると結論された.
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