原著
産婦人科領域における不規則性抗体検査の有用性
崔 華
1
,
久保田 武美
1
,
竹内 久彌
1
,
川島 徹
2
,
石 和久
2
Hua Cui
1
,
Tooru Kawashima
2
1順天堂大学医学部附属順天堂浦安病院産婦人科
2順天堂大学医学部附属順天堂浦安病院検査科
pp.1105-1108
発行日 1991年9月10日
Published Date 1991/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900564
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1987〜1989年の3年間に順天堂浦安病院を訪れた妊婦および婦人科手術患者計3,424例に対してABO式,Rho(D)式血液型検査と同時に不規則性抗体スクリーニング検査を施行した。不規則性抗体陽性率は妊婦1.4%(36/2,510),婦人科手術患者2.0%(18/914)であり,抗体獲得の原因としては妊娠歴,分娩・流産歴,輸血歴が考えられた。不規則性抗体同定例48例の内訳は抗Lea21例,抗P111例,抗Leb7例,抗E,抗Dia各2例,抗D,抗Fyb,抗M,抗Bga,抗Jra各1例であった。事前に抗体スクリーニング検査を施行し,抗体同定した後,適合血供血者のリストを準備していたため順調に輸血でき,救命し得た妊婦大量出血例(前置胎盤兼癒着胎盤)を経験した。また母体より抗Lea,抗P1,抗Jra,抗Dia,抗Dの各抗体が検出された5例において新生児黄疸が認められた。そのうち交換輸血を要した重症例は抗D抗体検出例のみであった。
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