クリニカル・ヒント
反復誘発筋電図―H反射;頻度抑制の利用法
居村 茂幸
1
,
岸川 典明
1
1兵庫医科大学病院リハビリテーション部
pp.136-137
発行日 1993年2月15日
Published Date 1993/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103692
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われわれ理学療法士は,ヒトのさまざまな動きやそれの原動力の一つとなる筋肉の状態を知るのに,いろいろな手段を用いて評価を行なっている.最近の理学療法士学会の発表では,結果ができるだけ客観的であるよう,電気的手法を用いてデータの抽出・解析を行なった論文が散見でき,その中に,数は少ないがH反射を利用したものをみることができる.
御存じのように,この反射はヒトの脛骨神経の電気刺激により,下腿三頭筋に誘発される短潜時の反射性筋電図反応として,ドイツの生理学者Hoffmann PA(1884~1962)により初めて報告されたものである.H反射は,脊髄における単シナプス性反射として筋固有反射を誘発筋電図的に捉えたものと一般に受け入れられており,運動ニューロンプールの興奮性を表す指標として広く利用されている.手法が比較的容易で,さらに被検者に対し無麻酔,つまり意識を清明に保ったままで試験でき,その上,表面電極を選べば無侵襲の条件で行なえる.これらの条件は,理学療法士にとってさまざまな運動負荷やその制御,運動療法手技や物理療法などが,ヒトの脊髄運動ニューロンプールにどのような影響を及ぼすかを知るための方法として優れた方法であると筆者は考えている.
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