症例
出生前に胸腹結合体の診断を下し,帝王切開にて生児を得た症例
渡辺 清彦
1
,
高梨子 篤浩
1
,
小沼 利安
2
,
橘 文紀
3
,
赤沼 直也
3
,
平井 滋
4
,
川崎 幸彦
4
,
遠藤 力
5
,
佐藤 章
5
Kiyohiko Watanabe
1
1福島県立会津総合病院産婦人科
2福島県立会津総合病院麻酔科
3福島県立会津総合病院病理部
4竹田総合病院小児科NICU
5福島県立医科大学産婦人科
pp.743-746
発行日 1991年6月10日
Published Date 1991/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900467
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最近我々は胸腹結合体を出生前に診断し,生児を得た症例を経験した。症例は,28歳の1妊1産婦。妊娠38週4日で超音波検査をしたところ胸部が連続しており,胸腹結合体と診断され,翌日,帝王切開にて5,022gの胸腹結合体の女児を生産した。二重奇形の発生頻度はきわめて少なく,Zangenmeisterによると35,000例中2例と報告されている。
妊娠中に二重奇形を診断するには超音波診断法が有力な検査法となっているが,これらの予後は,大部分は不良とされている。本例は現在,他院NICUで管理中であるが双児が心臓を共有し分離手術は困難と診断されている。
以上,今回我々は胸腹結合体の一例を経験したので妊娠後期に診断される胎児奇形のカウンセリソグに対する考究を添え,報告する。
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