今月の臨床 不育症—その対策のすべて
原疾患との関わり
8.染色体異常と不育症
大浜 紘三
1
Koso Ohama
1
1広島大学医学部産科婦人科学教室
pp.32-33
発行日 1991年1月10日
Published Date 1991/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900261
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受精卵の40〜50%は染色体異常例で,その多くは臨床的に妊娠と診断される以前に死亡し,妊娠6〜8週での異常率は5〜6%となり,さらにこれらの多くは自然流産や早死産として失われ,出生時での異常率は0.6%前後となる。すなわちヒトの生殖過程では非常に多くの染色体異常妊卵が生じ,そしてその大部分は出生前に死亡しているのである。したがって,不育症の病態を考える上で染色体異常は必要検討項目の1つとされる。
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