特集 胎内のしくみと胎児の発育
ヒト胎生初期における染色体異常について
高原 宏之
1
,
日浅 毅
1
,
大浜 紘三
1
,
久住 一郎
1
,
岡本 悦治
1
,
藤原 篤
1
1広島大学医学部産科婦人科学教室
pp.683-688
発行日 1977年11月25日
Published Date 1977/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205297
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はじめに
ヒトの染色体数は46で,22対の常染色体と1対の性染色体(男XY,女XX)によって構成されている(図1)。そして染色体異常は数の異常と構造異常に分けられる。数の異常では何番かの染色体が1対でなく1本多くて3本あるトリソミー(trisomy)や,1本少いモノソミー(monosomy)などの異数体と,3倍体(染色体数69)や4倍体(染色体数92)などの倍数体に分けられる。構造異常には重複,欠損,転座,輪状染色体などがある。
ダウン症は21番染色体のトリソミーであり,エドワード症候群は18番,バトー症候群は13番染色体のトリソミーである。また構造異常としては,猫泣き症候群は5番染色体の短腕の部分欠損で知られている。性染色体異常では,ターナー症候群が性染色体のモノソミー(45,X)で,クライネフェルター症候群は性染色体がXXYを示す異常である。
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