指標
産婦人科領域の染色体分析の意義—日常診療においてどのような場合に染色体検査を実施したらよいか
大浜 紘三
1
Koso Ohama
1
1広島大学医学部産科婦人科学教室
pp.313-324
発行日 1981年5月10日
Published Date 1981/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206423
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染色体検査が臨床の面で広く実施されるようになったのは,1960年にMoorheadら1)がPHAを用いた末梢リンパ球培養法を発表した以後であるが,染色体の研究が注目されはじめたのは,それより4年前の1956年にTjio and Levan2)が組織培養法によってヒトの染色体数を46と決定したことが契機となっている。当初は,主として先天異常と染色体異常との関係に興味が持たれ,各種の先天異常を対象とした検索がなされた。その結果1959年にはDown症候群(21トリソミー)3),Turner症候群(45,X)4),Klinefelter症候群(47,XXY)5)が,1960年にはPatau症候群(13トリソミー)6),Edwards症候群(18トリソミー)7)が,1963年には猫なき症候群(5p—)8)が,それぞれ染色体異常に起因する病態であることが明らかにされた。また1961年には,自然流産児に染色体異常のあることが報告され9),ヒトの生殖human re—productionに関する染色体研究は,大きな発展を遂げることとなった。
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