今月の臨床 不育症—その対策のすべて
原疾患との関わり
9.感染症と不育症
保田 仁介
1
Jinsuke Yasuda
1
1京都府立医科大学産婦人科学教室
pp.34-35
発行日 1991年1月10日
Published Date 1991/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900262
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不育症は習慣的に妊娠の中絶が起こり児を得られぬことをさすが,臨床的に妊娠と診断される前の極早期の流産をふくめ,早期での流産の原因は不明のものが多かった。しかしME機器の発達による超音波診断や内分泌検査,免疫機能検査などにより染色体異常によるもの以外の原因についても解明されつつある。
感染症と流産の関係についても敗血症などの感染時に流産が起こることや,細胞破壊力の強いウイルスの初感染時に流産の起こることが知られている。しかし古くから流産との関係を検討されているにもかかわらず感染症の原因となる病原体が多いこともあり,それぞれの感染が流産の原因なのか,結果なのかを判定することは容易ではなく困難が多い。
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