今月の臨床 ここが聞きたい―不妊・不育症診療ベストプラクティス
III 不育症の検査・診断 A遺伝因子
【染色体異常】
93.染色体異常と不育症との関連について教えてください.また,不育症カップルの染色体検査の至適時期はいつでしょうか.
山本 樹生
1
1日本大学医学部産婦人科
pp.626-627
発行日 2009年4月10日
Published Date 2009/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102082
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
[1]不育症の原因としての染色体異常の頻度
Coulamは,不育症の原因として,ホルモン異常29%,子宮の器質的異常10%, 胎児の染色体異常6%,免疫異常40%,不明15%を,牧野ら1)は,内分泌異常10%,子宮内腔異常15%,染色体異常10%,自己抗体20%,不明45%とし,杉浦2)らは染色体異常は22.5%としており,報告により多少違いがある.
しかし,杉浦ら2)の流産回数による反復流産の染色体異常の検討によると,流産回数が増えるにつれて染色体異常が減少するが,2~4回の流産ではまだ50%以上の染色体異常があるとしている.このため,2~4回の反復流産では,自然流産の染色体異常の頻度に比し,染色体異常はかなり少ないとの考えを訂正する必要がある.
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.