増刊号 最新の不妊診療がわかる!―生殖補助医療を中心とした新たな治療体系
第3章 生殖補助医療の調節卵巣刺激
卵巣刺激薬
ホルモン受容体陽性乳がん患者に対する妊孕性温存療法におけるアロマターゼ阻害薬を併用した調節卵巣刺激の意義
前沢 忠志
1,2
,
池田 智明
2
,
鈴木 直
1
1聖マリアンナ医科大学産婦人科学
2三重大学医学部産科婦人科
pp.149-154
発行日 2022年4月20日
Published Date 2022/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409210658
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▶ホルモン受容体陽性乳がん患者に対する調節卵巣刺激において,アロマターゼ阻害薬の使用はエストロゲンの上昇を抑制しながら多数の卵子を保存できる点において有用である.
▶妊孕性温存目的の調節卵巣刺激法として,注射製剤を用いた方法が選択されることが多いことから,アロマターゼ阻害薬の作用による卵巣過剰刺激症候群のリスク低減が期待できる.
▶アロマターゼ阻害薬の使用による体外受精後の妊娠・分娩,新生児の転帰は,自然周期やホルモン補充周期と比較しても遜色がない.
▶アロマターゼ阻害薬の使用による調節卵巣刺激後の乳がんの長期予後については不明である.
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