今月の臨床 胎盤・臍帯・羊水異常の徹底理解―病態から診断・治療まで
臍帯
臍帯捻転異常・巻絡の診断とマネジメント
村越 毅
1
1聖隷浜松病院総合周産期母子医療センター産科・周産期科
pp.1014-1021
発行日 2020年10月10日
Published Date 2020/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409210160
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●臍帯の捻転異常には,臍帯過捻転と過少捻転があり,Umbilical Coiling Indexにより診断を行う.臍帯捻転異常は胎児死亡や胎児異常,分娩時の胎児機能不全との関連が指摘されているが,必ずしも異常を引き起こすわけではない.慎重な管理は必要であるが,過剰な医学的介入は不要である.
●臍帯巻絡,特に臍帯頸部巻絡は全妊娠の1/3程度に存在する.臍帯頸部巻絡があるからといって必ずしも分娩時の異常が増加することはない.しかし,体幹部の巻絡や,有効臍帯長が短い場合(過短臍帯および臍帯巻絡によりフリーの臍帯が短い)は,分娩時の児下降不良や胎児心拍モニター異常に注意が必要である.
●一絨毛膜一羊膜双胎では臍帯相互巻絡が90%近くに存在する.臍帯相互巻絡のパターンや程度により,胎児死亡のリスクが異なる.
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