今月の臨床 胎児へのlife line臍帯
臍帯の臨床
3.臍帯巻絡
芹沢 麻里子
1
1県西部浜松医療センター産婦人科
pp.908-910
発行日 1999年7月10日
Published Date 1999/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903708
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臍帯巻絡は臍帯異常のなかで最も多く認められる病態で,その発生頻度は全分娩の約25〜35%であるといわれている1-4).そのうち胎児仮死を引き起こす症例は約10〜30%くらいであり1,4),臍帯巻絡による分娩時胎児仮死はけっして必発するものではないが,分娩時胎児仮死の原因の多くが臍帯異常に伴うものである.さらにその程度によっては分娩時胎児仮死だけでなく子宮内胎児発育遅延(IUGR)や子宮内胎児死亡(IUFD)に至ることもあるため,確実な診断や状態の把握が必要である.
臍帯巻絡は胎児のどの部分にも起こりうるが,体幹や四肢に巻き付いたものは胎動に伴い外れることが多く,あまり問題にはならないが,頸部に巻き付いた場合は外れにくく,分娩時に臍帯血流を障害することがある.そこで,今回は臍帯頸部巻絡を中心に述べる.
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