今月の臨床 いまなぜ“胎児仮死”か
胎児仮死を見逃さない
2.妊娠・分娩時の胎児仮死
3)臍帯の走行と巻絡の診断
齋藤 裕
1
,
熊澤 哲哉
1
1昭和大学医学部産科婦人科
pp.1630-1631
発行日 1995年12月10日
Published Date 1995/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902357
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臍帯は胎児と胎盤をつなぐ唯一のラインであり,子宮内に位置する胎児にとってまさに命綱といえる.臍帯は2本の臍帯動脈と1本の臍帯静脈からなり,周囲をワルトンゼリーが包みこんでおり少々の外的圧迫には耐え得るようにもみえるが,実際の産科臨床においてはとくに分娩時に臍帯の血流障害によると思われる胎児心拍数図異常を認めることがまれではない.我々産科医にとっては,このような分娩時の突発的な臍帯圧迫などによる臍帯の血流障害の発生が,事前に予測できればどんなにすばらしいかと思えるものである.
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