研究
臍帯巻絡による分娩障害について
金谷 恵美子
1
1天使病院
pp.54-56
発行日 1965年3月1日
Published Date 1965/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202939
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I.はじめに
私たちは,最近ややもすれば児頭骨盤不均衡の認められない分娩に当って,陣痛開始後も児頭が骨盤腔へなかなか固定せず,ようやく固定しても,その後の児頭の下降がはかばかしくなく,しかもその間児心音の減弱が現われ,ついには分娩手術をよぎなくする症例に遭遇することがあります.そこでこのような症例に対して注意深い観察を行なってきたところ,それらの大部分に臍帯の巻絡のあることを知りました.
今回は代表例として,臍帯巻絡により児頭下降遅延,分娩時間の延長,児心音の異常,分娩手術の必要,児の仮死または死亡などを考えざるをえない3例を取り上げ,症例の検討をしたいと思います.
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