今月の臨床 進化する子宮筋腫診療―診断から最新治療・合併症まで
病因論
子宮筋腫の進展因子
杉野 法広
1
,
佐藤 俊
1
,
前川 亮
1
1山口大学大学院医学系研究科産科婦人科学講座
pp.941-950
発行日 2019年10月10日
Published Date 2019/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209824
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●子宮筋腫の病態は,子宮平滑筋細胞の細胞増殖能の亢進と細胞外基質の増加である.
●子宮筋腫では,ゲノムワイドに多くの遺伝子のDNAメチル化異常と発現異常が起こっている.
●DNAメチル化異常による少数の上流遺伝子の発現異常によって,その下流の多くの遺伝子の発現異常が引き起こされ,細胞増殖と細胞外基質産生が亢進し,子宮筋腫が発生・発育する.
●性ホルモンの直接的な制御下にある遺伝子のうち,プロモーターにDNAメチル化異常を受けた遺伝子群が,初経後の性ホルモンの曝露により発現異常を起こし,細胞増殖と細胞外基質産生が亢進する.
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