症例
帝王切開瘢痕部妊娠に対しMTXを先行投与したうえで内視鏡下除去術を行い子宮を温存しえた1例
西田 浩孝
1
,
中林 稔
1
,
山下 隆博
1
,
矢部 慎一郎
1
,
川名 有紀子
1
,
竹田 善治
1
,
安達 知子
1
1総合母子保健センター愛育病院産婦人科
pp.937-941
発行日 2018年9月10日
Published Date 2018/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209494
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▶要約
帝王切開瘢痕部妊娠(CSP)は子宮破裂や大量出血の原因となり,時に致死的となる重篤な異所性妊娠である.近年の帝王切開率の上昇を反映し報告数も増加しつつある.経腟的に除去を試みると大量出血のリスクがあり,子宮摘出が必要になることも多いとされる.近年,子宮温存目的にメトトレキサート(MTX)を試みる報告も増えてきた.今回われわれは妊娠初期にCSPと診断し,MTXの全身および局所投与を先行したうえで,腹腔鏡観察下に子宮鏡下胎囊除去術を行い,子宮を温存しえた症例を経験したので,文献的考察も加えて報告する.
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