症例
子宮頸部原発と考えられた明細胞腺癌の1例
成田 萌
1
,
大木 規義
1
,
近藤 直子
1
,
宮地 真帆
1
,
水野 祐紀子
1
,
安田 立子
1
,
稲垣 美恵子
1
,
村越 誉
1
,
岡田 十三
1
,
吉田 茂樹
1
,
吉安 可奈子
2
,
八十嶋 仁
2
,
名方 保夫
2
1愛仁会千船病院産婦人科
2愛仁会千船病院病理診断科
pp.893-896
発行日 2017年9月10日
Published Date 2017/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209163
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▶要約
子宮頸部明細胞腺癌は,子宮頸癌の0.4%を占める非常に稀な疾患である.今回,子宮峡部を占拠し,原発部位の診断に苦慮した子宮頸部明細胞腺癌の1例を経験したので報告する.症例は36歳,1経妊0経産,2か月前からの不正性器出血を主訴に受診.子宮腟部の所見は正常であったが,子宮頸管内の細胞診と組織診から明細胞腺癌の診断が得られた.骨盤MRIでは子宮頸部から峡部を占拠する5×3cm大の腫瘍を認めた.原発部位が最大の問題点となったが,内診や画像などの臨床所見と,免疫組織学的検討を加えた病理所見から,子宮頸部明細胞腺癌Ⅰb2期の診断に至り,手術療法と術後追加治療を行った.子宮頸部明細胞腺癌は,極端な内向性発育の性格をもち,扁平上皮癌や他の腺癌と比べ発見が遅れやすく,子宮体癌との区別が必要なケースもあるなど,色々と問題点が多いとされている.子宮頸部明細胞腺癌について文献的な考察を加え報告する.
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