症例
妊娠初期から多発子宮筋腫による子宮後屈を認め,妊娠後屈子宮嵌頓症を想定し安全に帝王切開術を実施できた1例
中村 達矢
1
,
城 道久
1
,
小川 史子
1
,
大木 規義
1
,
安田 立子
1
,
岡田 十三
1
,
吉田 茂樹
1
T. Nakamura
1
,
M. Shiro
1
,
A. Ogawa
1
,
N. Oki
1
,
R. Yasuda
1
,
J. Okada
1
,
S. Yoshida
1
1社会医療法人愛仁会千船病院産婦人科
pp.551-555
発行日 2023年5月1日
Published Date 2023/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002562
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妊娠後屈子宮嵌頓症は分娩前の適切な診断が重要である。今回,妊娠初期から多発子宮筋腫に伴う強い子宮後屈を超音波で認めたことから妊娠後屈子宮嵌頓症の発症を想定し,安全に帝王切開を実施した1例を経験した。39歳初産婦。妊娠初期より多発子宮筋腫による子宮後屈あり。妊娠31週のMRIで妊娠後屈子宮嵌頓症と診断した。内子宮口は膀胱上縁より頭側に偏移。妊娠37週4日,術中に超音波で内子宮口の位置を確認し,安全に帝王切開で児を娩出した。超音波で妊娠初期から後屈子宮を認める場合,妊娠後屈子宮嵌頓症の発症に注意すべきである。
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