今月の臨床 卵巣がん─最新の治療戦略
初回治療
4.組織亜型別の治療法
1)明細胞腺癌の疫学と治療
礒西 成治
1
,
上田 和
1
1東京慈恵会医科大学産婦人科
pp.898-901
発行日 2011年7月10日
Published Date 2011/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102725
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疫 学
日本産科婦人科学会婦人科腫瘍登録1)によると明細胞腺癌の発生頻度は漿液性腺癌の34.7%に次いで22.4%と高頻度であり,20~39歳の若年層では漿液性腺癌1.5%に対し1.9%と逆転している.人種別ではわが国の明細胞腺癌症例は欧米と比較して高頻度である.NCI, Surveillance Epidemiology and End Results(SEER)2)による米国の卵巣癌組織型の比較ではAsian/Pacificの明細胞腺癌の頻度は11.6%でWhite : 4.8%,Black : 2.4%,Hispanic : 3.9%,American-Indian : ごく少数のいずれよりも有意に高頻度であった.ちなみにほかの組織型ではこれら人種間に発生頻度の差は認めていない.
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