症例
子宮体部明細胞腺癌の6症例
吉田 光紗
1
,
北見 和久
1
,
伴野 千尋
1
,
山口 恭平
1
,
廣渡 芙紀
1
,
寺西 佳枝
1
,
矢野 有貴
1
,
小林 浩治
1
,
高橋 典子
1
,
岡田 真由美
1
,
安藤 寿夫
1
,
河井 通泰
1
,
前多 松喜
2
1豊橋市民病院産婦人科
2豊橋市民病院病理診断科
pp.1283-1286
発行日 2013年12月10日
Published Date 2013/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103567
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要約
子宮体部明細胞腺癌は比較的稀な腫瘍で,早期でも腹腔外に進展しやすく,予後不良な特殊型とされている.子宮体部明細胞腺癌の6症例を経験したので報告する.
6症例はすべて閉経後に発症し,主訴は性器出血(1例のみ検診異常)であった.手術は単純または拡大子宮全摘術,両側付属器切除術,5例に骨盤リンパ節郭清術,3例に傍大動脈リンパ節郭清術が施行された.術後4例に化学療法が施行された.6症例はすべてI期であり,5例が無病生存,1例が再発治療後無病生存である.
予後不良とされる明細胞腺癌であったが,経験した6症例はすべてI期であり,比較的予後良好であった.類内膜腺癌以外の特殊型子宮体癌は術後にupstagingされることが比較的多い.リンパ節郭清術を含めたstaging laparotomyと化学療法が予後改善に有効であると考えられた.
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