今月の臨床 胎児心拍数モニタリング パーフェクトマスター
未来へのトピック
位相差トラッキング法を用いた胎児脈圧計測の試み
室本 仁
1,2
,
室月 淳
1,2
1宮城県立こども病院産科
2東北大学大学院医学系研究科先進成育医学講座胎児医学分野
pp.634-640
発行日 2016年7月10日
Published Date 2016/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208820
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●位相差トラッキング法は,受信した超音波RF信号の位相差を用いることにより,関心点の微細な運動をきわめて高精度に計測可能とする方法である.
●位相差トラッキング法を胎児血管壁の運動速度計測に応用することで,胎児下行大動脈の脈波伝播速度計測を行い,運動方程式からヒト胎児の脈圧を推定するシステムを開発した.
●循環式血流ファントム実験により,推定脈圧が実測値にきわめてよく相関すること,ヒト胎児においても計測可能であることを確認した.
●本法で得られた胎児脈圧は血圧を反映している可能性が高く,新しい胎児の循環動態評価法として期待される.
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