今月の臨床 体外受精治療の行方─問題点と将来展望
体外受精治療の問題点
3.PGD,PGSの実態と問題点
末岡 浩
1
1慶應義塾大学医学部産婦人科学教室
pp.732-736
発行日 2015年8月10日
Published Date 2015/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208490
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●PGD/PGSは臨床研究
PGD/PGSは,まだ有効性や有害事象などのエビデンスを得ていないとの解釈から一般診療の位置づけではない.したがって,ヒトの臨床研究指針に従い,倫理審査と報告が求められる.
●胚発生における形態と染色体異常
これまで,胚移植には形態良好胚を選択してきた.しかし,胚の形態分析は染色体異常とは関係なく,良好胚であっても染色体異常は多く見いだされることが明らかになった.
●極体,胚盤胞期からの生検は有効か?
極体は母親側の情報しかもたないが,染色体異数性の診断には有意義である.胚盤胞からの栄養外胚葉は胎盤に発生する細胞であり,胎児の情報を反映していないことがありうる.
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