連載 実証研究・6
千葉県下3病院にみる中小民間・「基準看護」非採用病院における看護労働
看護業務―その実態と問題点
林 千冬
1
1東京大学大学院医学系研究科博士課程・保健社会学教室
pp.177-186
発行日 1993年5月15日
Published Date 1993/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900167
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業務の特性
従来「看護婦」業務を対象として行なわれている調査は,タイム・スタディ法やワーク・サンプリング法などの量的調査が中心である.このうち,タイム・スタディ法調査の中で用いられている「業務内容分類項目」は,「看護婦」業務の作業内容を,詳細かつ具体的に表したものとして,現在最も有用な資料の1つだと考えられる.
本研究においては,越河らが1977年のタイム・スタディ調査1)で開発した業務内容分類を,診療科の相違などに留意し若干修正して参与観察調査に援用し,各項目における「看護婦」と他職種(派遣の付添い家政婦および病院が雇用する看護補助者)との分担状況を把握した.さらにその特性を,ある基準看護採用病棟とも比較し検討した.この結果では3病院とも非常に類似した傾向が見られたため,紙幅の都合上ここではA病院の調査結果を3病院の代表とし,基準看護採用D病院との比較2)を加えて表1として示す.
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