合併増大号 今月の臨床 生殖医療の進歩と課題─安全性の検証から革新的知見まで
ARTにおける新技術
4.着床前診断(PGD)
末岡 浩
1
1慶應義塾大学医学部産婦人科学教室
pp.28-33
発行日 2014年1月10日
Published Date 2014/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103580
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●出生前診断と着床前(遺伝子)診断 : 産まれてくる児の遺伝病を診断する意味で共通しているが,妊娠してから行う絨毛検査や羊水検査による出生前診断に対し,子宮へ移植する前の体外受精によってできた胚から診断する着床前(遺伝子)診断(preimplantation genetic diagnosis : PGD)は妊娠前に診断し,予防的に判断できる点で大きく異なる.
●臨床研究 : PGDは,臨床研究として対応することが求められ,生まれてきた児の予後も含め調査管理することが必要である.また,通常の診断とは異なり,特に倫理審査と情報の管理が求められる.
●染色体診断と遺伝子診断 : PGDにおいて染色体の診断も旧来行われてきたFISH法に代わり,マイクロアレイを用いた解析法へ急速に進歩し,単一遺伝子病に対する診断法と同様に遺伝子抽出を行ったうえで解析する遺伝子診断法へ共有化されつつある.
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