症例
III度子宮脱にて高度頸管炎を生じ,人工早産に至った1例
南 李沙
1
,
峯川 亮子
1
,
白石 真理子
1
,
細見 麻衣
1
,
土田 充
1
,
濱田 真一
1
,
山嵜 正人
1
,
村田 雄二
1
1ベルランド総合病院産婦人科
pp.703-707
発行日 2015年7月10日
Published Date 2015/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208483
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要約
妊娠28週にIII度子宮脱を生じ妊娠継続が困難であった症例を経験したので報告する.
症例は41歳,2経妊1経産の経産婦で妊婦健診中に大きな異常は認めていなかった.妊娠28週,頸管炎を伴う子宮腟部脱出を認め,用手的環納を試みるも困難にて当院搬送となる.
搬送時,脱出した子宮腟部のびらんと腹側部に壊死性変化と思われる部位を認め,母体発熱および血中炎症反応高値を認めた.羊水穿刺を行い,子宮内感染は否定できたため,リンデロン®投与下にいったん経過観察の方針とした.翌日,子宮頸部の壊死所見の増悪とそれに伴う疼痛訴えの増強を認めたため,妊娠継続困難と考え,帝王切開の方針とした.帝王切開前,子宮頸部壊死部位の進展度の確認目的にMRIを行った.MRIにて壊死組織は子宮脱部位のみにとどまっていることを確認したため,帝王切開後,Manchester手術にて脱出部位のみを切除した.術後3か月のMRIにても子宮脱再燃は認めず,術後2年現在の再発は認めていない.
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