症例
変性子宮筋腫が疑われたsmooth muscle tumour of uncertain malignant potential(STUMP)の1例
白石 真理子
1
,
峯川 亮子
1
,
吉村 道子
2
,
細見 麻衣
1
,
南 李沙
1
,
脇本 剛
1
,
土田 充
1
,
濱田 真一
1
,
村田 雄二
1
1ベルランド総合病院産婦人科
2ベルランド総合病院病理診断科
pp.803-807
発行日 2015年8月10日
Published Date 2015/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208503
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要約
術前に子宮筋腫と診断された平滑筋腫瘍のなかで,子宮筋腫でない頻度は5%とされている.そのうち,通常用いられている基準では良性・悪性を確実には診断できない平滑筋腫瘍は「悪性度の不明な平滑筋腫瘍(smooth muscle tumor of uncertain malignant potential : STUMP)」と定義され1),約1.0%存在すると考えられている.今回MRI検査にて変性子宮筋腫が疑われ,術後病理組織診断にてSTUMPと診断された1例を経験したので報告する.症例は37歳2回経産婦.過多月経による重症貧血および下腹部痛があり,約10 cm大の変性子宮筋腫を指摘され紹介となった.妊孕能温存希望がないことから単純子宮摘出術を施行した結果,病理組織検査にてSTUMPと診断された.STUMPは報告例も少なく,治療方針に一定の基準が設けられていないのが現状である.しかし再発の報告例も散見されるため,長期間にわたるフォローアップが求められる.本症例においても現在術後約2年が経過し,再発所見を認めないが,今後も経過観察を継続する必要がある.
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