症例
外陰部腫瘤を契機に発見されたNuck管の子宮内膜症の1例
竹井 裕美子
1
,
三宅 麻子
1
,
黄 彩実
1
,
船内 雅史
1
,
室谷 毅
1
,
山部 エリ
1
,
細見 麻衣
1
,
土田 充
1
,
濱田 真一
1
,
峯川 亮子
1
,
山嵜 正人
1
,
村田 雄二
1
,
今川 敦夫
2
,
米田 玄一郎
3
1生長会ベルランド総合病院産婦人科
2生長会ベルランド総合病院消化器外科
3生長会ベルランド総合病院病理診断科
pp.781-784
発行日 2017年8月10日
Published Date 2017/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409209142
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
▶要約
異所性内膜症の中でも外陰部内膜症は非常に稀な疾患である.またNuck管とは胎生期の発生に伴う,鼠径管内への腹膜の落ち込みである.通常は生後1年で閉鎖されるが,閉鎖されず遺残すると女児ではNuck管水腫として発見される.既知の報告では水腫を伴うNuck管内膜症の症例があるが,今回水腫性変化を伴わないNuck管内膜症を経験したため報告する.
症例は41歳,帝王切開2回.3か月前より外陰部腫瘤が硬化し,月経に伴った疼痛を認めたため受診.当初鼠径ヘルニア囊内の子宮内膜症性病変と診断し手術となったが,術中所見ではヘルニア囊は認めず,Nuck管の先端に腫瘤を触知した.Nuck管と子宮円靱帯を高位結紮し標本摘出.術後病理組織検査にて子宮内膜腺と内膜間質細胞を認め,Nuck管内膜症と診断した.
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.