症例
下肢深部静脈血栓症合併妊婦に下大静脈フィルターを留置した3例の検討
脇本 剛
1
,
清水 郁也
2
,
横手 真理子
1
,
南 李沙
1
,
土田 充
1
,
濱田 真一
1
,
峯川 亮子
1
,
村田 雄二
1
1生長会ベルランド総合病院産婦人科
2生長会府中クリニック
pp.927-930
発行日 2014年9月10日
Published Date 2014/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103881
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要約
肺血栓塞栓症(PTE)は妊産婦死亡の主要な原因の1つであり,下肢深部静脈血栓症(DVT)合併妊婦の管理はPTE発症予防に重要である.分娩に備えて下大静脈フィルター(IVCフィルター)を留置するケースが増加しているが,周産期領域におけるフィルター留置の明確な基準はない.今回,われわれが経験したDVT合併妊娠3症例において,問題点としてフィルターの種類,フィルターの留置部位,フィルターの留置期間が挙げられたので,個々に検討を加えた.フィルターは一時留置型IVCフィルターが望ましく,留置部位は分娩後の子宮復古に伴うフィルター位置移動を考慮して腎静脈分岐部より中枢側が望ましいと考えられた.フィルターの留置期間は周産期症例ではフィルター血栓の形成が多いことを考慮して通常より短期間がよいと思われた.
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