今月の臨床 早産─予防と対策
子宮頸管長計測による早産の予知
秦 利之
1
,
秦 幸吉
2
1香川大学医学部母子科学講座周産期学婦人科学
2香川県立保健医療大学保健医療学部看護学科
pp.750-755
発行日 2006年5月10日
Published Date 2006/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100130
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はじめに
従来,妊娠中の子宮頸部の評価は視診,内診によるものであり,内子宮口から外子宮口に至る子宮頸管全体の長さを含めた子宮頸部全体の評価,また外子宮口が閉鎖している場合には内子宮口が開大しているか閉鎖しているかの診断などは不可能であった.経腟超音波法の導入により子宮頸管長(以下,頸管長),内子宮口の形態などの視診,内診では捉えることのできない妊娠中の子宮頸管に起こる変化が客観的に評価できるようになってきた.その結果,現在では,頸管長短縮かつまたはfunnelingが早産を示唆する所見であるとされている1).しかしながら,頸管長短縮が認められる症例に対する早産予防としての頸管縫縮術などの医療的介入の有効性に関しては,統一した見解には至っていない2).
本稿では,まず経腟超音波法による頸管長計測と早産の関連について解説し,子宮頸管長短縮,funnelingが認められた症例に対して,医学的介入の適応,有効性などに関する見解について,現在までに明らかになっている事項について解説を行うことにする.
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