Medical Scope
早産・切迫早産と経腟超音波による子宮頸管診断
島田 信宏
1
1北里大学医学部産婦人科
pp.447
発行日 1999年5月25日
Published Date 1999/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902176
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私たち産科周産期医療者は,「何とかして早産を減少させたい」「せめて早産を予知する診断を実施して早産になってしまう症例をなくしたい」という希望をずっと以前から持ち続けてきました。
この問題に対して,現在普及しつつある経腟超音波断層診断はかなり有益であるという研究が最近になって数多く登場してくるようになりました。経腟用の超音波プローブを腟内に挿入して子宮頸管の後方,つまりダグラス窩といわれている後腟円蓋の部分におき,子宮頸管の形態や長さを計測したり,内子宮口の開大度などを診断するのが主な手段です。いままでは内診の際に内診指の感覚で,子宮頸管の開大度や頸管の長さがおおよそ何センチなどという大ざっぱな診断をしていましたが,経腟超音波では内子宮口が何ミリ開いているとか,頸管の長さは何センチ何ミリとか,とても正確に診断ができます。
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