今月の臨床 早産─予防と対策
早産における子宮頸管熟化の機序
佐川 典正
1
1三重大学大学院医学系研究科産科婦人科学講座
pp.721-727
発行日 2006年5月10日
Published Date 2006/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100125
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はじめに
妊娠中,子宮体部は伸展・増大しなければならないが,子宮頸部は硬く安定していなければならない.しかし,分娩時には子宮体部は収縮し,子宮頸部は軟化・開大する必要がある.このように,子宮体部と頸部とは一見逆の変化をするようにみえるが,その変化が同じ因子によって調節されているものも多い1).ヒトの分娩発来機構にはIL─1などのサイトカインが重要な役割を果たしていることが明らかになりつつあるが,頸管熟化過程においてもサイトカインはkey moleculeとしてさまざまな過程に関与している.本稿では,正期産との対比のなかで早産における頸管熟化の機序を考察する.
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