臨床研修セミナー 早産
早産児の予後
久保 隆彦
1
,
相良 祐輔
1
Takahiko Kubo
1
,
Yusuke Sagara
1
1高知医科大学産科婦人科学教室
pp.1109-1115
発行日 1989年11月10日
Published Date 1989/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208115
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早産は全分娩の約4%を占め,出生した児はその未熟性のために予後は一般に不良とされていたが,近年のめざましい周産期医学の進歩により,その予後は著しく改善した。これまで救命できなかった超未熟児ですら医療の対象となった。また,出産年齢の高年化に伴い少産時代を迎えたわけであるが,ひとりの児に対する家族の期待度も高まり,早産児を後遺症なく救命することが要求されるようになった1)。
陣痛抑制剤の開発・産科管理の充実に伴い,早産は減少することが期待されたが,逆に図1に示したように,日本の総出産数が減少しているにもかかわらず,1,500g未満の極小未熟児の総出生に対する割合はむしろ増加しており,今後,これらの早産児を管理する機会が増加することが予想される。
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