臨床研修セミナー 早産
手術療法—頸管縫縮術による早産防止
松浦 俊平
1
Shunpai Matsuura
1
1愛媛大学医学部産科婦人科教室
pp.1105-1108
発行日 1989年11月10日
Published Date 1989/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409208114
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
早産防止を目的とした手術療法として,頸管縫縮術(cervical cerclage)が頸管無力症(cervical incompetence)を主な適応として行われる。
頸管無力症では,妊娠中期以降に性器出血や子宮収縮による腹痛を伴うことなく子宮頸管が軟化,短縮,開大して胎胞を形成し,ついには頸管から卵膜嚢がバルーン状に腟内に膨隆脱出し,破水して胎児は未熟な状態で娩出される。これに対して効果的な治療が行われない場合には,妊娠の都度に流早産を反復する傾向があり,したがって,妊娠中期から末期にかけての流早産反復の既往によっても,その存在を推定しうるわけである。
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.