症例
絨毛癌との鑑別が困難であった,子宮穿孔を起こした侵入奇胎の1例
吉田 典生
1
,
木口 一成
2
,
鈴木 廉三朗
2
,
岩田 正範
1
,
腰高 豊
3
,
品川 俊人
4
,
大平 誠子
5
,
中島 健
5
,
水原 浩
5
,
雨宮 章
5
1世田谷下田総合病院産婦人科
2聖マリアンナ医科大学東横病院産婦人科
3聖マリアンナ医科大学東横病院病理
4聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院病理
5聖マリアンナ医科大学産婦人科
pp.1347-1350
発行日 1996年10月10日
Published Date 1996/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902708
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25歳,2経妊1経産.不正性器出血(無月経10週4日)を主訴として受診,胞状奇胎と診断した.入院後,奇胎娩出術を施行.奇胎娩出術時の病理組織検査では,変性壊死に陥った脱落膜と共に大型で水腫状を呈する絨毛がみられた.20日後に大量出血のため再入院。画像診断で両肺への転移を認めた.数日後急激に発症した呼吸困難と腹腔内出血のため,緊急開腹手術を施行した.
手術時検体の病理組織検査では,明らかに絨毛構造を欠如した,高度の異型を伴った絨毛細胞が認められ,病理組織所見のみでは侵入奇胎と絨毛癌の鑑別が困難であった.
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