原著
周産期センターでの腎・尿路系奇形の分析
今井 史郎
1
,
中山 雅弘
2
Shiro Imai
1
,
Masahiro Nakayama
2
1大阪府立母子保健総合医療センター,産科
2大阪府立母子保健総合医療センター,病理
pp.81-85
発行日 1989年1月10日
Published Date 1989/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207935
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約6年間に470例の奇形児を経験し,うち46例(9.8%)に腎・尿路系奇形を認めた。この腎・尿路系奇形を3群に分類し,以下の結果を得た。
1)腎・尿路系異常としては臨床的意義が少ない群;腎皮質小嚢胞,馬蹄腎,重複尿管など13例あり,他の理由で死亡し剖検時に見つかることが多かった。
2)腎・尿路系異常として臨床的意義を有するが,多発奇形(奇形症候群)の一部として合併する群;片側の腎欠損4例,両側腎低形成2例,片側ないしは両側の腎異形成4例,水腎症9例の合計19例あり,2例のみ生存した。
3)腎・尿路系異常が主たる臨床的意義をもつ群;14例あり,両側の腎異形成5例はすべて羊水過少を伴い1例のみ生存し,片側の腎異形成は3例あり2例が生存した。
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