原著
排卵障害の背景に対する統計的考察—Prolactin (PRL)関連疾患と内分泌学的PCO症例の重要性
合阪 幸三
1
,
金田 幸枝
1
,
友成 廉平
1
,
國保 健太郎
1
,
多和田 哲雄
1
,
佐々木 静子
1
,
吉松 淳
1
,
吉田 浩介
1
Kohzo Aisaka
1
1賛育会病院産婦人科
pp.767-771
発行日 1988年8月10日
Published Date 1988/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207847
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排卵障害の原因としてprolactin (PRL)関連疾患および内分泌学的PCO症例がどの程度の重要度を有するかについて,当科不妊外来患者例のうち排卵障害を有する147例を対象として統計的考察を加え以下の成績を得た。
1) PRL関連疾患は107例,内分泌学的PCO症例は36例といずれも多数を占めた。
2)黄体機能不全59例のうち45例に,内分泌学的PCO症例36例のうち20例にPRL関連疾患が合併していた。
3) PRL関連疾患は25歳以上の症例に多く認められた。乳漏症を呈する症例は既往妊娠歴を有する症例に多かった。
4) Bromocriptine投与によりPRL関連疾患の82.0%に排卵が,31.5%に妊娠が認められ,内分泌学的PRL症例においても90.0%に排卵が,70.0%に妊娠が成立した。
以上のことから,排卵障害の原因としてPRL関連疾患および内分泌学的PCO症例の重要性が明らかとなった。
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