薬の臨床
肥満を伴う卵巣機能不全症例における内分泌学的特徴と中枢性食欲抑制剤(Mazindol)の効果
合阪 幸三
1
,
都築 浩雄
1
,
鳥谷 葉子
1
,
國保 健太郎
1
,
斉藤 英樹
1
,
為近 慎司
1
,
吉田 浩介
1
,
金田 幸枝
2
,
森 宏之
2
1賛育会病院産婦人科
2帝京大学医学部産婦人科
pp.235-240
発行日 1994年2月10日
Published Date 1994/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901631
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肥満を伴う卵巣機能不全症例(BMI:36.9±2.6,9例)にmazindol(M)を投与し,以下の成績を得た.
1)Mの8週間の投与により,体重:94.6±7.7→86.7±5.2kg(P<0.05),BMI:36.9±2.6→33.7±3.9といずれも著明に減少した.2)肥満女性は,LH/FSH, E1/E2,が高く,血中testosterone, androstenedione, TSH, T3,cor—tisol, DHA-Sも高値をとったがMの投与によりいずれも著明に低下した.また,血中testos—terone, cortisolは体重と有意の相関を示した(それぞれr=0.572,P<0.01, r=0.388,P<0.05).3)肥満を伴う卵巣機能不全症例は,ほとんどがいわゆる内分泌学的PCOに類似したホルモン環境を示し,甲状腺,副腎皮質系も活発に作動していることが明らかとなり,Mの投与は体重減少のみならずこれら各種ホルモン 系にも好ましい影響を及ぼすことが明らかとなった.
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