ヒューマンバイオロジー--臨床への展開 無排卵症
Topics
正常PRL血性無排卵症とプロモクリプチン療法
森 宏之
1
Hiroyuki Mori
1
1大分医科大学産科婦人科教室
pp.741-743
発行日 1985年9月10日
Published Date 1985/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207246
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Bromocriptineが高PRL血性排卵障害のみならず正PRL血性排卵障害にも有効であることは多くの報告がある1〜8)。が,その内容を検討してみると,正PRL血性ではあるが,乳汁漏を伴った症例,post pill amenorr—heaやpolycystic ovary syndromeなどの多彩な症例を含んだ検討であったために,有効であることは一致した見解ではあるが,そのmechanismに対しては明解な説明がなされていなかった。筆者の検討によれば,bromocriptineは正PRL血性排卵障害(黄体機能不全症の一部をも包括してこう呼称する)のうち以下に述べる2つの病態に対しては明らかに有効である。すなわち,①その排卵障害の原因がプロラクチンに起因するが,現行のプロラクチンの正常上限値の設定が高すぎるために正PRL血症に分類されてしまうborderlinecase。これは通常の検査法では正PRL血症と診断されてしまうのが,特殊な検査を行うと高PRL血症であることが把握できる潜在性高PRL血症(筆者はこれを暫定的にocculted hyperprolactinemiaと呼称したが,必ずしも適当な英語とは思っていない)とoverlapする9)。
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