原著
母乳分泌に影響を及ぼす産科学的諸因子の検討
合阪 幸三
1
,
野島 美知夫
1
,
國保 健太郎
1
,
金田 幸枝
1
,
鳥谷 葉子
1
,
斉藤 英樹
1
,
都築 浩雄
1
,
為近 慎司
1
,
吉田 浩介
1
Kohzo Aisaka
1
1賛育会病院産婦人科
pp.1363-1369
発行日 1993年11月10日
Published Date 1993/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901526
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産科学的諸因子の母乳分泌,母乳哺育確立に及ぼす影響を多数例について検討し,以下の成績を得た。
1)産褥初期の母乳分泌量は,その症例の1か月検診時の母乳哺育確立とよく相関した。2)経産婦のほうが初産婦より母乳分泌は良好であった。しかし母乳哺育確立に関してはほぼ同じで約50%に母乳栄養の確立がみられた,,3)分娩遷延,分娩時出血多量,鉗子分娩といった要因は,母乳分泌量,母乳哺育確立には悪影響を及ぼさなかった。4)帝切例では母児の接触が遅れるためか,入院中の母乳分泌最,1か月後の母乳確立とも経腟例に比べて有意に低下していた。5)乳房の形態は母泌分泌,母乳確立に影響を与えなかったが,扁平乳頭,非妊時の母体の肥満体型(初産婦)は母乳哺育が有意に確立しにくいことが明らかとなった。以上より,母乳分泌,母乳確立に影響を及ぼす因子が明らかとなった。
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