生涯研修セミナー 妊娠中毒症
管理指針
高木 繁夫
1
,
三宅 良明
1
,
坂田 寿衛
1
Shigeo Takagi
1
1日本大学医学部産科婦人科学教室
pp.755-760
発行日 1988年8月10日
Published Date 1988/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207845
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
妊娠中毒症の病態成因は,疫学的,内分泌学的,免疫学的,血液凝固学的見地より種々の検討がなされているものの,いまだ一定の見解が得られておらず,その治療も母児管理を中心とした対症的なものにならざるを得ない。しかし,母体が胎児胎盤を内蔵することによって生ずる母体の適応不全現象であることは明らかで,妊娠の継続を中断することによって病態は急速に改善される。したがって,その管理の主体は,母児の詳細な病態把握と厳重な監視と双方から検討した適切な分娩時期の決定ということになる。幸い,近年の周産期医療の発達やNICUの充実に伴って,やむなく早期誘発分娩に至った未熟児でもかなりの確率で救命されつつあり,従来の母体中心の管理から胎児中心の管理になりつつあることも事実である。
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.