実地臨床手技のエッセンス 内分泌異常の診かた
妊娠時の内分泌検査
高木 繁夫
1
,
栃木 武一
1
Shigeo Takagi
1
,
Buichi Tochigi
1
1日本大学医学部産科婦人科学教室
pp.545-550
発行日 1979年7月10日
Published Date 1979/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206071
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最近10年間,妊娠時の内分泌検査法は,飛躍的進歩を遂げている。妊娠時の内分泌環境1,2)を背景として母体から得る内分泌情報3)は,妊娠の早期診断,妊娠初期切迫流産の予後判定,妊娠中期末期の胎児胎盤機能,あるいは胎児の予備能の判定などに広く応用されている。蛋白系およびSteroid Hormoneのうちで,日常診療と密接に関連するHCGやEstrogenなどの測定の意義は少なくない。
現在,妊娠時の内分泌検査法のうち免疫学的方法を取り入れた微量血中・尿中Hormone測定用のRadioimmunoassay (RIA)は臨床医の立場からするとやや煩雑な操作および特殊な設備を必要とする。この点尿中HCGの測定およびEstriolの測定法は半定量法ながら極めて有用である。よって現在必須と考えられている内分泌検査法4)のうち,ルチーン化されつつあるEstrogenおよびHCGの測定法に限ってそれらの手技の実際および測定法上の注意点を含めて解説する。
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