原著
周産期管理におけるNSTおよびCSTの応用について
国松 茂生
1
,
正岡 直樹
1
,
山口 進久
1
,
飯塚 貞男
1
,
坂田 寿衛
1
,
高木 繁夫
1
Shigeo Kunimatsu
1
1日本大学医学部産科婦人科学教室
pp.123-130
発行日 1981年2月10日
Published Date 1981/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206392
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近年ME機器の進展に伴い,産科領域においても各種のME機器が使用されている。たとえば,Hon1),Barcia2)らにより始められた分娩監視装置による胎児心拍モニター(Fetal Heart Rate monitoring)は,当初分娩時における,Fetal distressの監視に重点がおかれていたが,その後1970年代に入り,欧米においては分娩前胎児心拍モニター(antepartum FHR monitoring)として検討され,普及をみている。
当教室においても,従来分娩前胎児管理として胎児心拍モニターと併せて生化学的,内分泌学的方法を検討しているが,今回は昭和53年6月より昭和55年5月にいたる2年間の日大板橋病院産科入院患者のうち,ハイリスク妊娠の疑い,あるいはハイリスク妊娠と診断された妊娠28週以降の妊婦を対象に以下のごとき検討を行なった。すなわち,Rochard3)の分類を参考にnon stress test (以下NST)を行ない,一方Freeman4)の分類によるContraction stress test (以下CST)を行ない,さらにこれに併せて生化学的検査,羊水分析などを加え,これらを総合して胎児状態,予後との関連の分析を試みた。今回はそのうち特に分娩前胎児モニターを中心としたそれの概要を述べる。
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