原著
不妊婦人の原因別人口について
平野 睦男
1
,
星 和彦
1
,
鈴木 雅洲
1
Mutsuo Hirano
1
1東北大学医学部産科学婦人科学教室
pp.825-828
発行日 1983年11月10日
Published Date 1983/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206903
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
不妊症は種々の原因でもたらされた「妊娠しない」夫婦の状態であり,その責任は当然,夫と妻のいずれか一方,またはその両者にあると考えられるが,夫と妻のいずれの側にもはっきりした原因を探しえない場合もすくなくない。不妊症の原因としては,男性側および女性側それぞれに多くの事項が挙げられており,また原因別に頻度も検討されている。今回われわれは不妊症の原因やその頻度に関する諸家の報告をもとにして,きわめておおまかではあるが,本邦における不妊婦人の人口について概算してみた。この結果,いくつかのすぐれた薬剤の開発により,排卵障害にもとづく不妊婦人の多くが,排卵・妊娠が可能になったが,いかに多くの卵管性不妊や男性不妊の患者が医学の助けにより挙児の希望のかなうよう願っているかを知ることができた。
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.