総説
Narrow Spectrum Antibioticsをめぐる2,3の臨床課題—感染化学療法のTarget therapyへの指向
青河 寛次
1,2
,
庄司 孝
1
,
土山 憲一
1
,
杉山 陽子
2
Kanji Seiga
1,2
,
Yoko Sugiyama
2
1岩国病院
2近畿母子感染症センター
pp.789-796
発行日 1987年12月10日
Published Date 1987/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207694
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1.疾病の診断治療とは,的確な病巣診断と,対応する合理的な病因排除が基本であり,こうしたtargettingの確立が必要である。
2.感染症の診療は,Host-Parasite-Drug-Correlationshipの立場から,こうした図式が最も達成しやすいものである。しかし,近年の大勢であるBroad spectrum antibioticsの輝かしい進歩は,その半面,診療の基本を著しく乱し,MRSA感染症をはじめいくつかの問題を生じている。
3.感染化学療法は,起炎菌の把握と感染病巣への集中性の2点から対処さるべきであり,Drug delivery systemの進歩などよりみて,その可能性の近いことを思わせる。
4.したがって,Narrow spectrum antibioticsにより,こうした考え方の一端が臨床の動態とどのように関わるものか,臨床例をえらんでその問題点を探求した。
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