境界領域の再評価とその展開 特集
Gynecologic Functioning Tumorとその外科的対応
絨毛癌の転移とその外科的対応
友田 豊
1
,
石塚 隆夫
1
,
後藤 節子
1
,
小林 達也
2
,
今泉 宗久
3
Yutaka Tomoda
1
,
Tatsuya Kobayashi
2
,
Munehisa Imaizumi
3
1名古屋大学医学部産婦人科教室
2名古屋大学医学部脳神経外科教室
3名古屋大学医学部胸部外科教室
pp.11-14
発行日 1987年1月10日
Published Date 1987/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207516
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絨毛癌の治療成績は飛躍的に向上しており,最近では死亡率10%以下となっている(図1)。これはMethotrexate (MTX), Actinomycin D(ACTD)などの開発とその投与方法の改善,肺転移・脳転移に対する外科手術の適用ならびに脳転移に対する放射線療法の効果などによった1〜3)。絨毛癌の治療成績を転移例と非転移例に分けて示したものが図2である。非転移例では死亡率0%が既に達成されているが,転移例における死亡率は約25%あり,転移症例にいかに対処するかが絨毛癌の治療成績を向上させる上で重要な課題となっている。本稿では絨毛癌における転移の病態を明らかにすると共に,その治療法,特に手術療法について述べたい。
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