Modern Therapy 婦人科劇症の治療
絨毛癌遠隔転移の治療方針
友田 豊
1
,
可世木 成明
1
,
浅井 保正
1
,
石塚 隆夫
1
,
原 孝子
1
Yutaka Tomoda
1
1名古屋大学医学部産科婦人科学教室
pp.111-117
発行日 1980年2月10日
Published Date 1980/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409206192
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名古屋大学医学部産婦人科において昭和32年〜52年の21年間に155例の絨毛癌例(うち23例は絨毛癌診断スコア1)による臨床的分類による)を治療した。この間に絨毛癌の予後は著明に改善したが,主として用いられた抗腫瘍薬の種類によって21年間を3時代に区分して予後の向上を示すと表1のごとくになる。
絨毛癌の寛解率は,初期(昭和30年代)における20.8%から昭和47〜52年の66.1%と向上をみたが,過去数年間においては今回述べる転移に対する適切な治療方針の設定,抗腫瘍薬多剤併用療法の採用,免疫学的治療の試行などの努力の結果,さらに良い成績があげられるようになった。絨毛癌の予後を向上せしむるためには転移病巣に対する適切な治療方針の設定が不可欠と考えられる。以下に教室の経験から転移の取り扱いに関して述べたい。
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