今月の臨床 卵巣がん—疫学から治療まで
化学・放射線療法
29.ホルモン療法は有効か
金沢 浩二
1,2
,
本間 滋
1
,
田中 憲一
1
Koji Kanazawa
1,2
,
Shigeru Honma
1
,
Kenichi Tanaka
1
1新潟大学医学部産婦人科
2現:琉球大学医学部産婦人科
pp.857-859
発行日 1992年7月10日
Published Date 1992/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900941
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
周知のように,子宮内膜癌や乳癌はホルモン依存腫瘍hormone dependent tumorとして知られ,その発生・増殖の場に,ホルモン,とくに性ステロイドホルモンが深く関与しており,その治療方法の一つとして,ホルモン療法が注目されてきた。一方,本稿のテーマである卵巣癌については,その発生・増殖の場に,どのような内分泌的環境がどのように関与しているか,まだ十分な解析はなされていない。したがって,卵巣癌に対するホルモン療法はなお今後の問題と言わざるをえないが,卵巣癌細胞のhormone receptorに関する知見が集積されつつあり,また種々のホルモン剤投与による治療も試行されつつある。
本稿では,これら内外の研究成績を概観し,卵巣癌に対するホルモン療法の臨床的可能性について考察する。
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.