ヒューマンバイオロジー--臨床への展開 体外受精
体外受精・胚移植をめぐる最近の問題点
鈴本 秋悦
1
Shuetsu Suzuki
1
1慶応義塾大学医学部産婦人科学教室
pp.769-772
発行日 1985年10月10日
Published Date 1985/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207252
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体外受精—胚移植法(IVF-ET)は,不妊症の治療法の1つとして世界的にも広く定着し,アメリカ,イギリス,オーストラリア,フランス,東および西ドイツ,デンマーク,スウェーデン,フィンランド,イタリア,スイス,ベルギー,カナダ,ニュージーランド,イスラエル,コロンビア,チリー,シンガポール,中国そして日本と,約25カ国で臨床に応用されており,日本での成功例を含めて,1,000人以上の子供がIVF-ETによって生まれている。
したがって,IVFに関する技術的な問題は,各実施機関が種々の工夫を加えつつ,ある程度解決してきているというのが現状である。また,操作生殖医学としての倫理的な問題についても,IVF-ETが不妊治療の一環として行われる限り,若干の議論が残るとしても,今日,社会的にもコンセンサスが得られてきているということができる。
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