先進医療—日常診療へのアドバイス 特集
生殖医学の進歩
体外受精・胚移植法の応用と将来
久保 春海
1
,
安部 裕司
1
Harumi Kubo
1
,
Yuji Abe
1
1東邦大学医学部第一産婦人科学教室
pp.227-229
発行日 1986年3月10日
Published Date 1986/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207354
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ヒト体外受精・胚移植法(IVF-ET)が不妊症治療の一手段となり得てから,世界中で600人らかくのIVFET児が誕生したことになる1)。IVF-ET法において初期胚を子宮内に移植するという非生理的な環境を止むを得ずとするならば,その着床率の低いのも是認せざるを得ない。このような手技上の問題点を別とすれば,ヒトIVF-ET法は各施設間に大同小異はあっても,ほぼ確立された手法になりつつある。
われわれは以前からIVF-ETの手法を応用して,ヒト配偶子間の直接受精能判定法2)や受精能獲得精子による簡易人工授精法3)などを不妊症の診断・治療に用いている。今回,その手技および成績について考察して有用性を報告し,またIVF-ET法の応用による人為的生殖生理コントロールに関する若干の考察を加えた。
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