今月の臨床 子宮内膜症
子宮内膜症と不妊
18.体外受精・胚移植法の適応
斉藤 英和
1
Hidekazu Saito
1
1山形大学医学部産科婦人科学教室
pp.58-59
発行日 1992年1月10日
Published Date 1992/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900703
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体外受精は今日ではさまざまな原因の不妊症の治療として一般に用いられるようになった。子宮内膜症は子宮内膜が異所性に存在し,種々の病態を引き起こす疾患であるが,この治療にも体外受精は用いられるようになった。体外受精は新しい治療の概念であるからして,内膜症の治療を考える際には以前とは異なりこの存在を考慮に入れて治療方針を立てなければならないし,治療方針を決定するためには正しく病態を把握しなければならない。
腹腔鏡は子宮内膜症の診断には,なくてはならない診断法であり,かつまた腹腔鏡検査時に,癒着剥離,chocolate cystの吸引,alcoholによる固定,laserによるminimal lesionの焼灼,蒸散などの手術も積極的に施行されている。この腹腔鏡の所見やその際に行われる手術操作によってその後の治療方針が決定される。
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